レポート

デロイト トーマツ戦略研究所の調査・研究レポートを掲載しています。

国際情勢アップデート, 米国, 日米関係, 欧州, シンクタンク, コメンタリー

ミュンヘン安全保障会議が示す「新秩序」の論理:モジュール化、包括防衛、AI台頭を補助線として

米国の第2次トランプ政権による高関税措置や国際機関からの脱退、ベネズエラでの軍事作戦によって、国際情勢は緊迫の度合いを増した。第2次世界大戦後、米国が主導してきた国際秩序が揺らぐ中、国際経済・金融の関係者の間では、世界情勢を見極めるための場として、「ミュンヘン安全保障会議(MSC)」に対する関心が高まっている。「Under Destruction(破壊の最中)」に開催された2026年のMSCを振り返り、「モジュール型の枠組み」、「トータル・ディフェンス」、「AI(人工知能)台頭」という3つの論点を整理したい。3つの論点は、MSC閉幕直後に始まった米国によるイラン軍事攻撃や、今後の国際情勢を分析するための補助線となるだけではなく、日本の政策・企業の戦略を固めるうえでもヒントとなる。

注目レポート

Research&Analytics

  • HealthyFood_shutterstock

    ウクライナ戦争の長期化、中東情勢、第2次トランプ政権の高関税措置によって、企業を取り巻く地政学リスクが複雑さを増している。シナリオ志向によってビジネスに「地政学」の視点を取り入れることが重要な課題となってきた。デロイト トーマツ戦略研究所の研究員が2026年のビジネスへのインサイトを語った。 

  • 働き方改革

    自由民主党総裁の高市早苗氏を首班とした新内閣が発足し、新たな政策テーマが相次ぎ打ち出されている。労働分野で注目すべきは「労働時間規制の緩和の検討」だろう。本稿では、2019年施行の働き方改革関連法によって、正社員の労働時間がどのように変化したのかまず確認したうえで、規制緩和のポイントを整理する。そこから見えてくるのは、人口が減少する日本で潜在成長率を引き上げるには、労働時間の規制緩和は避けて通れないテーマではないかということだ。

  • 個人消費

    外食産業で上場各社が好決算を続けている。しかし、これは大手が中小零細のシェアを奪う二極化が進んだ結果に過ぎず、市場全体はコロナ前の水準には回復していない。「食のオケージョン(需要機会)創出」による数量的な成長や付加価値訴求による単価向上がいまだ途上だからだ。外食産業が需要を本格的に拡大させるには、メリハリ志向など消費者の変化を的確にとらえ、業態変革を実現するほかない。本稿ではそのヒントの一つとして、飲酒ニーズの取り込みに注目した。

  • HealthyFood_shutterstock

    世界の「食」を取り巻く環境は大きく変わり始めた。国際情勢の不安定化、気候変動、食料需要の拡大によって、食料の安定調達が重要な課題となってきた。一方、技術革新やライフスタイルの多様化によって、食の価値そのものが再定義されつつある。 人口減少、農業基盤の弱体化など構造的なリスクを抱える日本はどのように対処すべきか。ビジネスチャンスはどこにあるのか。デロイト トーマツ戦略研究所の研究員が、食をめぐるトレンドや政策、ビジネスについて解説する。

  • 2025年10月21日、自由民主党総裁の高市早苗氏が総理大臣に就任し、新内閣が発足した。高市政権が最初に直面する最重要イベントは、米国のトランプ大統領の来日になる。今後の日米外交においては、両国が合意した戦略的投資イニシアティブの確実な履行が不可欠な要素となった。米国に対する総額5500億ドルの投資枠組みの内容を整理したうえ、「海洋」、「宇宙」などの視点から日本の経済・産業活性化につなげる端緒を探る。

  • 世界各国でポピュリズムや排他的な主張が台頭し、政策とナラティブ(主観的な物語)の関係が注目を集めている。ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)が政策に及ぼす影響が大きくなる中、米欧では「ナラティブ政策フレームワーク」(Narrative Policy Framework、NPF)が政策過程分析の手法として発展した。NPFの意義と具体的な手法を概説したい。事例として、2016年にインターネットに投稿された「保育園落ちた」という文章を取り上げ、このナラティブがどのように日本の待機児童対策に影響したのかを分析する。

  • 日本と米国は2025年7月、貿易・投資協議に合意した。日本に対する自動車関税率や相互関税率が15%に設定されたほか、日本の政府系金融機関が対米投資促進のために5500億ドル(80兆円)の支援策を講じることが決まった。本稿では、第2次トランプ政権の対外政策の教典と目されるホワイトハウス高官スティーブン・ミラン氏の論考(ミラン論文)を参照し、日米合意の内容を読み解く。

  • AI(人工知能)の急速な発達が、暮らしやビジネスを大きく変えつつある。もはやAIなしでは生き残れないーそんな時代がやってきたといっても過言ではない。AIを活用することで、ビジネスの可能性は大きく広がるが、その一方でAIのリスク管理も重要となってきた。デロイト トーマツ戦略研究所の研究員がAIの最新トレンド、戦略的な活用へのヒントについて解説する。

  • ChessPieces_3

    世界のビジネスの現場では生成AI(Generative Artificial Intelligence)の導入が加速している。民間に続き、各国・地域の政府や地方自治体といった公共セクターでもAI実装を検討する動きが活発になってきた。公的機関によるAI導入で課題となるのが、知見の不足だろう。米国ではカリフォルニア州サンノゼ市が中心となって、自治体・政府機関が連携する「GovAI Coalition」(GovAI連合)が結成され、ガバナンスや公共調達に関する情報共有に乗り出した。GovAI連合の形成と発展を取り上げたうえ、先端領域の調達や導入において重要性を増す「官民をつなぐ人材」に関する考察と示唆を提示したい。

  • AdobeStock_198272925

    国際社会が急速に多極化へと向かい、競争は激化している。企業が次なる競争優位を築く鍵は、「惹きつける力」=ソフトパワーにあるのではないか。企業ブランドやアイデンティティ、価値観においても違いを打ち出すことが求められている。 デロイト トーマツ戦略研究所の研究員が、人材獲得競争が激化する現在、国家や企業がどのようにソフトパワーを活用し、グローバル人材を惹きつけるのか解説する。