デロイト トーマツ戦略研究所の調査・研究レポートを掲載しています。
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ウクライナ戦争の長期化、中東情勢の混迷、米中対立、そして再び注目されるトランプ関税・・・。いま、企業を取り巻く地政学リスクは、かつてないほど複雑化している。突然の輸出規制や関税引き上げにより、資源や部品の調達が遅れる――こうした変化は気付かないうちにビジネスに影響を及ぼしている。デロイト トーマツ戦略研究所の研究員が、ビジネスに「地政学」の視点を取り入れる重要性について解説する。
日本とアフリカの関係強化を目指す、第9回アフリカ開発会議(TICAD9)が2025年8月20~22日、横浜で開催される。経済成長が続き、豊富な資源を有するアフリカ諸国は今世紀半ば以降、経済・地政学的な影響力を増していく。一方、政治・社会リスクと国際情勢の緊迫、日本政府・企業のリソース面などでの制約から、アフリカに対する開発と投資は容易ではない。国際秩序の大きな変革期を迎える中、日本政府はTICADを基盤とした外交戦略の進化と深化が必要であろう。アフリカ新戦略の策定に向け、3つのポイントを提言したい。
日本の電子商取引(EC)市場は、食品販売のオンライン化の遅れから伸び悩んでいる。ただし、二つの構造変化が食品EC市場に潜在的な需要をもたらしている。女性の社会進出に伴う30~40代の「現役世代」による時短購買ニーズの高まりと、コロナを経てITリテラシーが向上した高齢者の利用拡大である。しかし、2022年の物価高以降は、生活防衛意識からリアル店舗への回帰が進んでいる。事業者は今後、リアルとオンラインとの融合を踏まえ、実店舗では提供できなかった、ECならではの新しい付加価値を提供する必要がある。サプライチェーンへの投資や、オンオフ融合によるユニットエコノミクスを実現する経営への転換も求められよう。また、高齢者への「お届けサービス」では、安否確認や孤独の解消といった社会課題の解決に資する見守り機能をさらに進化させることで、リアルの価値がより活かされよう。流通が全国的なインフラとして引き続き十分役割を果たし続けるためには、地場に根差して課題解決するモデルも構築される必要がある。
2025年4月の国際海事機関(IMO)会合で、各国政府は国際海運における温室効果ガス(GHG)排出規制の「IMO Net-Zero Framework(ネットゼロ枠組み)」に合意した。規制対象船舶に排出削減目標を設定するとともに、この目標達成のために排出枠の利用を認めた。さらに一部の排出枠は、IMOに一定の金額を支払うことで取得できるようになっており、排出枠の売却を通じて得られた資金は、GHG排出量がゼロの船舶や燃料の導入支援に充てられることになった。ネットゼロ枠組みの導入は、国際海運に関連する企業にとっては負担増となる可能性がある一方、GHG排出量がゼロの船舶や燃料関連の技術や商品を有する企業にとって新たなチャンスとなる可能性もある。
7月20日に投開票の参院選では、物価高対策をはじめとした経済政策が最大の争点となる見通しだ。石破茂政権は衆議院で少数与党にとどまっており、参議院でも過半数割れとなれば、連立の枠組み拡大や政権交代が現実味を帯びる。こうした政治情勢の変化は政策の方向性や実行スピードにも影響をもたらし、企業の経営環境にも変化が及ぶ可能性がある。本稿では、主要政党が公約で掲げる経済政策を整理・比較し、企業が注視すべき政策のポイントを明らかにする。
近年、世界的に注目を集めている「ブルーエコノミー」。国際関係、資源、エネルギー、地方創生…様々な観点から新たなフロンティアとして注目される「海」は、海洋国家・日本にとって大きなビジネスチャンスとなる。デロイト トーマツ戦略研究所の研究員が、ブルーエコノミーの概要や世界的にブルーエコノミーの関心が高まっている背景を動画で解説する。
2023年の日本の温室効果ガス(GHG)の排出量が、今年4月に発表された。それによると日本のGHG排出量は減少を続けていることが判明した。日本がパリ協定の下で設定している2030年の排出削減目標(NDC)の基準年である2013年と比較しても大きく減少している。2013年は、東日本大震災のために原子力発電所の多くが停止していたこともあり排出量も多かったが、震災前の2010年の排出量をも下回る結果となっている。GHG排出量の9割を占めるCO2 排出量も減少している。
改正GX推進法が5月28日、参議院で可決された。2023年制定のGX推進法で化石燃料賦課金、特定事業者負担金などGHG排出に対する炭素価格の設定が打ち出されていたが、今回改正の柱は、排出量取引制度の一種であるキャップ&トレード制度への加入を、温室効果ガス(GHG)排出企業に新たに義務付ける点にある。 日本のキャップ&トレードとしては2023年に「GXリーグ」参加企業を対象とする「GX-ETS」が開始されていた。政府は2025年までをGX-ETSの第1フェーズとして試行し、2026年からの第2フェーズには本格導入するとしていた。このスケジュールに沿って政府での検討作業を経て策定されたのが改正GX推進法だ。改正法では第2フェーズの骨格しか示されておらず、詳細は今後制定する政令によって定めるとしている。
エネルギー安全保障は、もはや化石燃料や中東情勢にとどまらない。デジタル化や脱炭素化の急激な進展により、リチウムやレアアースなどの重要鉱物が新たな戦略的資源としてその存在感を高めている。特に近年、中国など資源保有国による輸出管理の強化や自国産業育成のための重要鉱物の囲い込みなどによって供給リスクが顕在化している。こうした中、日本を含む西側諸国は鉱物資源の安定供給を共通の最優先課題としており、連携強化の機運が高まっている。今、日本に求められるのは、高度な技術力と国際的な信頼を活かしながら、価値観を共有する国々との連携を主導し、資源保有国との戦略的パートナーシップを構築していくことだろう。
コメを筆頭に食品の値上がりが社会的な関心事になっている。2025年に入って、消費者物価指数(CPI)の伸びは主要国で最も高くなり(※1)、エンゲル係数は43年ぶりの高水準だ(※2)。物価高対策として消費税が焦点になり、与野党は給付金支給や減税を検討している。食品値上がりの経路と家計へのインパクトを概観したうえで、欧州の事例をもとに物価高対策を整理・検討したい。
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